片想い同盟
***
「ほら、やっぱり来た」
「……お前なぁ」
次の週の日曜日。さっそく、拓海は私の練習に付き合うために市民体育館に来てくれた。
しかも、日中は部活があるからと、夕方からの夜間の使用時間で。
疲れてるだろうにわざわざ来てくれるところ、本当お人好しというか、優しい奴め。そういうところがきっと、モテている理由でもあるんだろうな。
「何からすんの?ラリー?」
準備運動を済ませると、さっそく拓海が受付で借りたボールを手に持ってポーンと上にあげる。
「いや、サーブ」
「え、そっから?」
が、私のまさかの言葉に、落ちてきたボールをキャッチした拓海は目を丸くした。