片想い同盟
「あ、さっきより痛くない」
「だろ?」
ふっと笑う拓海は、まぁ普通にかっこいい、かもしれない。
そういえば、関わったことのなかった中学時代も騒がれてたな。名前だけは聞いたことがあったから。
さすがの運動神経を持っている拓海は、サーブもレシーブも、トスも、全部上手かった。そして、しっかり私に教えてくれた。
途中チラッと、こんな人に唯一バドミントンで勝てる私って、どうなんだろうとは思ったけれど。
「だいぶいいじゃん」
「本当っ?」
自分でも様になってきた気がしたとき、拓海に褒められて思わず声が弾んだ。
そんな私を、おかしそうに拓海は笑う。