片想い同盟
□ 無条件の優しさ
別に、拓海のことなんてこれっぽっちも好きじゃない。
性悪だし、意地悪だし。……まぁ、気も使えるしなんだかんだ優しいところは認めるけど。
でも優希くんの優しさには敵わない。優希くんのかっこよさには敵わない。それだけは言える。
……言える、けど。
「あんたさぁ、拓海くんとどういう関係なわけ?」
「……いや、ただの友達ですけど」
さすがにここまでくると、アイツが『超カッコいい!』とモテることを自覚せざるを得ない。
球技大会当日。
たくさん練習をして、準備万端だったはずの私の気分爽快な朝。
体育着へ着替えようと更衣室に向かっただけなのに、私の楽しいはずの1日はもう終わりを告げようとしていた。