片想い同盟
「あ、あったあった」
棚から湿布と固定用のテーピングを持ってきた優希くんは、椅子に座る私の前にしゃがみこむ。
「はい、足見せて」
「へっ……?い、いいよ!自分でできるし!」
「いいから」
放っておいたら何もしないで逃げそう、だなんて言う優希くんは、私をなんだと思ってるんだろう。
清楚女子を目指すのはもう無理そうだ。
諦めておずおずと左足を出すと、優希くんは慣れたように応急処置をしてくれた。
優希くんの手が私の足に触れそうで触れなくて。全神経が左足に集中する。
「な、慣れてるね」
「あはは、サッカー部だからね」
ドキドキしてるのがバレたくなくて、一生懸命話しかけてみたり。