片想い同盟
「いつから、気づいてたの?」
「ん?」
「私が怪我してたの」
どうしても気になってしまってそう聞いてみると、優希くんは苦笑しながら「最初から」と口にした。
「え?」
「唐沢と3人で会ったとき。なんか足かばってるように見えたから。半信半疑で言い出せなかったけど」
試合見て確信したよ、と優希くんは言う。
そして、「早く気づけなくてごめんね」とまで彼は言った。
「な、なんで優希くんが謝るの?」
これは私の不注意だし。むしろ、気づいてくれて、こうして手当てしてくれてるだけでありがたいのに。
「遠山さんが無茶するタイプなの知ってたのに、無茶させちゃったから」
だからごめん、と、優希くんはもう一度私に謝った。