片想い同盟



無性に涙がこみ上げてくるのはなんでなんだろう。


……この人は、どこまで優しい人なんだろうか。



あぁ、どうしよう。

好き。好きだよ、優希くん。



その言葉がもう喉まで出かかっているのに、口にすることはできない。



「はい、できた」

「ありがとう……」


手当てが終わると、優希くんは私のそばから離れてしまった。


ふわっと揺れる空気が、なんだか冷たく感じる。



「もう無茶したらダメだよ。……って言っても、遠山さんはしそうだけど」


くすりと笑う優希くんは、私のどこまでを見てくれているんだろう。知ってくれているんだろう。



ただの元クラスメイトとしか思われていないのはわかってる。白石さんが好きなこともわかってる。


けど、もっと見てほしいって思っちゃうのは無謀なことなのかな。


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