片想い同盟
静まり返った保健室内で、ふぅっと息を吐く。
緊張の糸がほどけたように、心なしか呼吸がしやすくなった。
優希くんといるだけで、心臓がドキドキして落ち着かないよ。
そろそろ私も保健室を出ようと立ち上がると、同じタイミングでガラッとドアが開いた。
先生が戻ってきたのかと思ったけれど、そうじゃない。
「え……、なんで」
「このバカ」
そこに立っていたのは、まさかの拓海で。
「あんなプレーしなら危ないだろ!?ったく、そうやって変に気遣うんだからお前は!」
もっと自分を大事にしろ、と。
保健室に入ってきて早々、つかつかと私の前までやってきた拓海は、コツンと私の頭を小突いた。