片想い同盟
■ 強い意志
* 拓海 side *
中学の頃から、女って存在に飽き飽きしていた。
だから彼女を好きになったのは、必然的なことだったのかもしれない。
『唐沢くん。お疲れ様』
『唐沢くん、明日何時集合だからね!』
『あーっ、唐沢くん!ちゃんと準備運動しないとダメだよ!』
彼女は、同い年ながら本当によくできたマネージャーだった。
ふわふわして、か弱そうなくせに、俺たち部員一人一人をしっかりサポートしてくれる。
けどそれは当たり前なことで、媚びを売るとか、そう言った下心一切なしの純粋なこと。
俺には、それが新鮮で仕方なかった。