片想い同盟
「あ〜、終わった終わった」
全学年での最後の表彰式も無事に終わり、教室に戻ってきた俺らは思いっきり伸びをした。
さすが夏の球技大会終わりの体育館。熱気の余韻なのか知らないが、蒸し暑くてたまらなかった。
どかっと椅子に座ると、すかさずTシャツをパタパタとあおぐ。
「総合3位かー。けっこういい成績だったんじゃない?」
同じくTシャツを仰ぎながら俺の後ろの席に座った杏は、そう言ってプシュッと炭酸のペットボトルを開けた。
「え、なにそれ。ずりぃ」
「さっき自動販売機で買ったの。……飲みたい?」
そう聞きながらも、シュワッとはじけたそれを喉に流し込む杏。
ゴクンと動いた喉を見て、なぜかドクンと心臓が音を立てた。