片想い同盟


「でもさー、なんでそんなに仲良しなの?」


彼女たちの口から出たその質問に、一瞬答えるのを考えた。



「あー……、同じ中学なんだよね、実は」

「あっ、そうなんだ?」

「だから仲良しなんだね!」


笑って誤魔化した私の答えに、彼女たちはどうやら納得してくれたらしい。

まぁ、同じ中学ってのも間違ってはいないし。



……けど、本当の理由なんて言えるわけがないから。



「でもさ、それだけ仲良かったら、好きになっちゃったりしない?」

「なっ、ないない!それはない!」


楽しそうにコイバナをしてくるところ悪いけれど、その質問にだけは全力で否定させてもらった。


あまりにも首を横に振る私に、彼女たちも苦笑い。



「それはこっちのセリフだっての」


と、次の瞬間、そんな言葉と同時に私の頭に誰かの手が乗せられた。


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