結城くんが学園王子の仮面をはずしたら。
そして来るたびにわたしの机に肘をつけて話しかけてくるんだ。
もうこれが日課になってる。
「ほら、飯田くん!
もうあと数分で授業始まるわよ!」
「あ、ほんとだ。
じゃあ俺は行こうかな。
ばいばい、また次の休み時間に来るね」
そう言って飯田くんは手を振りながら自分の教室に戻って行った。
「はぁー、あれほんとに飯田くん?
あれじゃあ爽やか王子とはだいぶかけ離れた、ただの鬱陶しい男じゃない」
あたしのゆきにちょっかいかけやがって。
なんて言ってるあやちゃん。
そんなあやちゃんも、最初こそは飯田くんを見てキャーキャー言っていたけど、さすがにここまで来ると熱も冷めた様子。
たしかに、わたしも最近の飯田くんにはちょっと戸惑ってるかも。
「いい?
ゆき、飯田くんに限らずもし男子に変なことされたら絶対にあたしに言うこと!
なにかあってからじゃ遅いんだからね?
分かった!?」
「わ、分かりました…」
あやちゃんの圧に押されながら頷く。