結城くんが学園王子の仮面をはずしたら。


「飯田くんのことは、気になったりはしない…」


「そっか。

じゃあさ、ちゃんと飯田くんにはっきりさせた方がいいと思う。

ほんとはゆきにちゃんと自分で気づいて欲しかったんだけどね。

飯田くんへの好きは友達としてだってこと」



友達として……



その言葉を聞いて、どこかしっくりきてるわたしがいた。



「飯田くんにあまり思わせぶりな行動をとるのは、飯田くんにとっては酷だと思うよ」



そうだよね。



「でも、まだ飯田くんと仲良くなって数週間しか経ってないし、もうちょっと考えたいっていうなら、真剣に考えてあげな」


「わかった」



わたしが真剣な顔をして頷けば、あやちゃんは優しくにこりと笑って言った。



「ゆきなら大丈夫。

もしなんかあったらすぐにあたしに言うこと!」


「ありがとうあやちゃん」



いつもあやちゃんに助けられてる。



いつかあやちゃんに恩返しができたらいいな。



なんて思っていたそのとき__



< 105 / 275 >

この作品をシェア

pagetop