結城くんが学園王子の仮面をはずしたら。



『はぁー!?

飯田くんとデートすることになった!?』


「う、うん…」



夜ご飯を食べたあと、自分の部屋に戻ってさっきのことをあやちゃんに電話することに。


予想はしていたけど、案の定かなり不服な様子。



『まぁしょうがないか。

ちゃんとはっきりさせてきな』


「うん」


『それにしても、飯田くんがそこまでゆきに想いを寄せていたなんてねぇー』



そうだよね。

それはわたしも思った。



「こんなののどこを好きになってくれたんだろ」


『無自覚』



あやちゃんが何か言ってるけどスルーした。



「ねぇ、あやちゃん。

デート、どこ行くと思う?」


というか、デートってみんなどこに行くんだろう。



『うーん』


「あやちゃんって彼氏さんといつもどこに行くの?」


『えー、俊くんの運転でドライブしたりお家デートしたりとか?

一緒にご飯作って食べてるわよ』



ヒャー

何その新婚夫婦感あるデート!


憧れるなぁー



『飯田くんのことだからきっと素敵なデートプランを練ってくるわよ』



飯田くんそういうの慣れてそうだしね。



『まぁ、楽しんできなさい。

でもちゃんと最後は自分の気持ちを伝えてくること』


「はーい」



そうしてあやちゃんとの電話は終了。



「楽しんできなさい、か……」



正直わたしはどんな顔して飯田くんと会えばいいのか分からないんだけどな。


でも、わたしが楽しまないと飯田くんに悪いもんね。


それで、しっかり自分の気持ち伝えよう。



「うん!大丈夫!」


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