結城くんが学園王子の仮面をはずしたら。
「やっばーい!遅刻しちゃうよぉー!」
はい、ただ今半泣き状態で準備してます。
飯田くんとのデート当日。
見ての通り寝坊しました…。
でもよかったー!
昨日のうちに着る服決めておいて!
じゃなかったら確実に遅刻だったよ…
「ゆき、今日どっか出かけんの?」
ドタバタと髪の毛やらメイクやらと準備をしていたわたしのところに結城くんがやってきた。
「え、あ、はい。
ちょっと友達と遊びに」
「ふーん」
何気に結城くんのことが好きだと気づいてからは、変に意識しちゃって地味ーに逃げているわたし。
今も結城くんの顔を見るだけですごく胸がドキドキして、結城くんに聞こえちゃうんじゃないかってヒヤヒヤしてる。
だからそんなわたしには聞こえなかったんだ。
「なんだ。
せっかく2人でどっか出かけようと思ったのに」
なんて結城くんが呟いていたことを…
「楽しんでこいよ、ゆき」
ふわりと見せた結城くんの笑顔に胸がときめく。
「はい!じゃあ行ってきます!」
「行ってら」
結城くんに見送られて家を出た。