結城くんが学園王子の仮面をはずしたら。


「飯田くんどこにいるかなぁ」



無事10時に駅前についたのはいいものの、飯田くんが見つからない。



と思ったとき、


「飯田くんだ」



時計台の下でたくさんの女の子に囲まれて困った顔をしている飯田くんを発見した。



うーん、助けに行った方がいいのかな?


でもあんな女の人がいっぱいいる所に行きたくないし……



考えた末、とりあえずもう少しだけ様子を見ることに。



そのまましばらくジーッとそこにいると、自分の前にスっと影が落ちた。



「え?」



反射的に顔を上げるとなんだか不機嫌顔の飯田くん。



あれ?

なんで飯田くん?



「さっきまで向こうにいましたよね?」


「うん、いたよ。

ゆきちゃん見つけるまでは」



あ、そういうことですか。


飯田くん、わたしがここにいることに気づいたんだ。


それでここに。



あー、納得納得。



「俺、ゆきちゃんに怒ってるんだけど」



へ?

なんで?



「わたし、なにかしちゃいましたか?」



なにか飯田くんの気に触るようなことしちゃったかな。


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