結城くんが学園王子の仮面をはずしたら。
「ふはっ」
そんなわたしを見てなのか、飯田くんが急に吹き出して笑った。
「あぁ、もうマジでゆきちゃん可愛いんだけど」
「へっ?」
なんか凄く恥ずかしいんだけど……
「あ、この魚見てよゆきちゃん。
可愛いと思わない?なんかゆきちゃんみたい」
そう言って指したのはフグ。
「何言ってるんですか飯田くん。
わたしこんな膨れてませんよ」
むしろこんな顔してる?
わたしって。
「ははっ、その顔その顔。
そのほっぺたむぅって膨らませてるところが似てんの」
えぇー!?
ていうか、
「何もそこまで笑わなくてもいいじゃないですかぁ…」
酷くないですか?
そんな爆笑しなくても。
「ごめんごめん。
そんな怒んないで。ね?」
笑いすぎたのか涙目で、未だに笑ってそう言う飯田くん。
「そんな顔で言われても、ほんとにそう思ってますか?」
絶対まだ面白がってるでしょ。
「思ってる思ってる。だから許して?」
「仕方ないから今回だけは許します」
次言ったらもう無視してやる!
「ありがと」
よーし
せっかく水族館に来たんだから楽しまなくっちゃ!
「飯田くん!早く次行きますよ!」
「はいはい」