結城くんが学園王子の仮面をはずしたら。


今飯田くんの手を取れば、わたしは幸せになれるのかもしれない。



でも、いつか絶対に後悔するときはくる。


なんであの時ちゃんとはっきりしなかったんだろう、って……



だから__



「ごめんなさいっ!」



わたしは飯田くんの手は取らない。



自分が後悔しない為にも。



そして、これ以上飯田くんを傷つけない為にも…。



「やっぱり、結城には適わなかったな…」


「え、…?」



眉を下げて、どこか結果を分かっていたかのようにそう言う飯田くんに少し疑問を持った。



結城くん?

なんで…?



「ゆきちゃんが結城のこと好きなの、俺は知ってたよ」


「ど…して、?」


「知ってるに決まってる。

だって、ずっとゆきちゃんのこと見てたんだから。

最近のゆきちやん、ずっと結城のこと見てる」



気づいてたんだ…



「でも、じゃ…どうして?」



なんで知ってて、飯田くんは真っ直ぐにわたしに想いを伝えてくれたの?


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