結城くんが学園王子の仮面をはずしたら。
胸が苦しいです…。
「はぁー……」
「47回目」
へ?
「何が?」
「ゆきが今日朝からため息した数」
「そんなの数えてたの?!」
どれだけ暇人なんですか…
ていうかわたし、そんなに朝からため息してたんだ。
「なに?今度はどした?」
あやちゃんがわたしの席の前に腰を下ろす。
それを見てわたしは、心の中にあるものをあやちゃんに吐き出した。
「結城くんと幸せになるって、飯田くんと約束したのに…、どうすればいいのか分からない……」
「なんだ、そんなこと?」
そんなあやちゃんの返事にわたしは目を見開く。
なんだって、なんじゃ!?
「ちょっとあやちゃん?なんだって、なんなの」
むすっとわたしは頬を膨らませる。
「なんなのって言われても、そのままじゃん。
そんなことでため息ついてたら幸せ逃げるぞーって思っただけ」
あやさんあやさん。
そんなことって、酷くないですかい?
「わたしは真剣に悩んでるのにぃー」
ズリーと机に伏せる。