結城くんが学園王子の仮面をはずしたら。
「うん!良いじゃん!上出来!!」
あやちゃんのその言葉に閉じていた目を開ける。
うわぁ…
何これ……
「わたしじゃないみたい……」
目の前の鏡には別人と化したわたしがいた。
「ふふん、どうよ!あたしの力は」
腕組をしてドヤ顔をかますあやちゃん。
「凄いよあやちゃん!凄すぎる!!」
鏡越しに見えるあやちゃんに、わたしは感動いっぱいで凄いしか言えない。
鏡の中のわたし。
浴衣はあやちゃんママに綺麗に着付けてもらって、髪とメイクは全てあやちゃん。
緩く巻かれたわたしの栗色の髪をサイドでふんわりとお団子を作り、そこに浴衣に合うお花のかんざしを付ける。
メイクは派手すぎないナチュラルなメイクをしてもらって、もはやもうわたしではない。
あまりの変身用に感動いっぱいだ。
「あたしに掛かればお手の物。
これで結城くんもゆきにイチコロね!」
自信満々に話すあやちゃんに、わたしも段々と自信が持てるようになってきた。