結城くんが学園王子の仮面をはずしたら。


「あやちゃん!わたし頑張る!!」



せっかくあやちゃんにこんなに可愛くしてもらったんだもん。



めいいっぱい結城くんにアピールして、少しでも好意持ってもらうんだ!



なんて一人で意気込んでるわたしには気づかなかった。



「全くもって好意寄せてない女を夏祭りなんかに誘う男なんていないのに。

ほんとゆきって鈍感すぎ…。結城くんかわいそ」



あやちゃんが、今頃バイトで頑張ってるであろう結城くんに哀れみの言葉をかけていたなんて…。




只今の時間、午後3時45分。



お泊まりセットが入ってる大きい鞄を駅のコインロッカーに預けて、約束の駅前のベンチで結城くんを待つ。



「ちょっと早く着いちゃったなぁ」



あやちゃん家を少し早く出たから、ゆっくり歩いて来たけどやはり少し早くついてしまった。



こうして待ち合わせて一緒に行くなんてまるでデートだ。



やばいよ、緊張してきたっ…!


この前放課後デートみたいなことはしたけど、その時よりも緊張してる。



それにこの格好。


「変じゃないかな…」



あやちゃんが可愛いって言ってくれたときは変に自信着いちゃってたけど、段々不安になってくる。



「でも不安になりだしたらキリないし、もう考えるのやめよ!」



今はお祭りに行ったら何するかだけ考えよ!



と一人でぐるぐると考えていた時___


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