結城くんが学園王子の仮面をはずしたら。
「ねぇ君!何してるの?」
「今一人〜?」
陽気な男の人たちの声が聞こえた気がした。
しかしわたしは気づかない。
なぜなら…
うーん…。向こう着いたら何から食べようかな〜
やっぱりたこ焼きと唐揚げとトルネードポテトとかき氷とベビーカステラ……etc、は制覇したいもんなぁ。
なんて食べ物のことしか頭になかったから。
「……姉……、お姉……、お姉さんっ!」
「は、はい!」
急に肩を掴まれびっくりして後ろを振り返る。
見るとそこには、わたしの肩を掴んでいる金髪にピアスをジャラジャラと開けている男と、明るい茶髪の同じくピアスを開けている男がいた。
……誰?
「もうお姉さんったらさっきから呼んでんのに全然気づかないんだも〜ん」
金髪男がへらっと笑いながら話す。
「あ、ごめんなさい。ちょっと考えごとしてて」
それより、わたしに何か用でもあるのかな。
でもこの人たちのことわたし知らないんだけど……
わたしは脳内知り合い辞典をめくって、この人たちを探す。
しかし、やっばりいくら考えても分からない。
頑張って探していると、茶髪の男の人がわたしの顔を見て言う。