結城くんが学園王子の仮面をはずしたら。
まぁ確かにすごくかっこよかったなぁ。
ふわっとした茶色の髪に、キリッとした目。
そして薄い唇に、すっとした鼻。
肌はとてもキレイで、ニキビなんてひとつもなかった。
手足が長くて体型はスラッとしてて。
一目見ただけでこんなに覚えてるんだから、ほんとうにかっこいいんだと思う。
「そして極めつきにはあの紳士な対応!
それはもう素晴らしいほどにね。
あのキラキラな王子様スマイルにはやられるわ。
学力だって常に学年一位をキープしてて、運動神経だって抜群!
もうほんとうに非の打ち所のない完璧王子よ!!」
あやちゃんの完璧な説明に少し驚く。
誰よりもその王子のこと知ってるんじゃ?ってぐらいだもん。
でもね、あやちゃん……
あやちゃんは騙されてますよ。あの王子様に!
紳士な王子様は演技だったんだもん!!
ほんとうの結城くんは、わたしのこと覗きちゃんなんて呼ぶくらい意地悪なんだよ!
って、声を大にして叫びたいけど、わたしにはそんな勇気ございません……。