結城くんが学園王子の仮面をはずしたら。


「ねぇ今一人?

よかったら俺らと行こーよ。

浴衣着てるってことは祭り行くんでしょ?」



いや、はい。


そうなんですけど。



「ごめんなさい。わたし待ち合わせしてるので」



結城くん待ってるもん。



「え〜、いいじゃん!俺らと遊ぼ〜よ」


「ほんと、ごめんなさい」



何この人たち…

すごく、いや……



「わたし、人待ってるのでっ…」



なんとかしてこの場を離れようと試みたけど、なんなく金髪の人に腕を掴まれてしまった。



「はい捕まえた〜」


「っ…!」



掴まれた瞬間ゾクッとした。


気持ち悪い……



「離して、ください……」


「え〜、離したら君逃げちゃうでしょ〜?」



そう言ってギャハギャハ笑う男の人たち。



怖い……

嫌だ……


涙がじわりと浮かんでくる。



「さ、行こっか!」



ギュッと目をつぶる。



助けて……

結城くんっ!!


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