結城くんが学園王子の仮面をはずしたら。


「ねぇ」



後ろから聞こえた声。

学校で聞く声。



結城くんだ……



「は?何だお前」



茶髪の人が結城くんに突っかかる。



「その子俺の彼女だからさ、手離してくれないかな?」



こんな時にも結城くんの言葉に不覚にもドキッとしてしまうわたしって、ほんとにどうしようもないとつくづく思う。



「うぜぇから」



そんな結城くんが来てからイライラしているらしい目の前のチャラチャラした男二人。



「汚ねー手で触んなよ」



すると結城くんは急に声を低くして男を睨みつける。



あまりの低い声にビクッと肩をふるわせる。



結城くん……?



「は、な、何だよ…お前……」



男二人も、さすがのこの威圧感たっぷりの結城くんにはビビってるみたいで、わたしの肩を掴む手が緩んだ。



「ゆき」



その隙に結城くんはわたしの腕を掴んで抱き寄せる。


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