結城くんが学園王子の仮面をはずしたら。


「早く消えてくんない?」



頭の上から聞こえてくる結城くんの低い声。



目の前には結城くんの胸板。



だから気になってしまうんだ。



どんな顔で結城くんは男の人たちを見てるの?


でも雰囲気からして、怒ってる、よね?


もしかしてわたしのために怒ってくれてるのかな?



どうしよ……

たまらなく嬉しい。



分かってる。


そんなことない。わたしの勝手な思い違いだって。


わたしの頭がお花畑なんだって。



でもわたしバカだから、そう思わずにはいられないんだ。



「チッ…。おい行くぞ」



そう言って男2人は立ち去って行った。



よかった……


「結城くん?」



男の人がいなくなってもなおわたしを抱きしめ続ける結城くんの名前を呼ぶ。



「まじ心臓止まるかと思った」


「え?」



いつもの低すぎない程よい声で話す結城くんにホッと安心したのと同時に、頭の中にクエスチョンマークが浮かぶ。


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