結城くんが学園王子の仮面をはずしたら。
「待ち合わせ場所来てゆき見つけたと思ったら、変な野郎二人にナンパされてんだから。焦った」
確かに来たときの結城くん、若干息切れしてたな。
でも、息切らしてまでわたしのことを助けてくれたなんて嬉しいよ。
「結城くん、助けてくれてありがとうございます」
結城くんの腕の中からひょこっと顔を出して、結城くんの顔を見てにこりと笑って言った。
「ふっ、当たり前」
そんなわたしを見ていつもの余裕な笑みを浮かべて結城くんは言った。
「てかさ…」
ジッとこちらを見てくる結城くん。
な、なに…?
「なんつー格好してんだよ」
ぐっ……
え、今の結構傷ついたよ。
やっぱりそんなにわたしの格好変なのかな……
さっきまでは結構自信あったのに……
「ですよね。やっぱりわたしには似合わな…」
「そーじゃなくてっ…。
あ"ー、くっそ!ちゃんと似合ってるから!
そんな落ち込んだ顔すんな」
ズーンと落ち込むわたしの言葉を遮って結城くんはすごく照れたように片手で顔を覆って言った。
「え…」
「ほら行くぞ」
わたしの手を引いて前を向いて歩く結城くんの耳が、赤く染ってることに気づいたわたしは嬉しくなってニヤニヤが止まらない顔を必死で隠した。
「はい!」