結城くんが学園王子の仮面をはずしたら。
10月初旬。
「ゆーき!パンケーキ食べに行こ!」
「え…、あ、うん…」
「ゆき?なんかあった?」
帰りのSHR後、わたしの席に迎えに来てくれたあやちゃんにかなり沈んだ顔で反応したわたし。
そんなわたしを、あやちゃんはかなり心配した顔で見た。
「ううん!なんでもない!」
あやちゃんに心配かけたくない。
そんな想いでわたしは笑顔を取り繕う。
しかしあやちゃんには何もかもお見通しだったみたいで、
「ゆき、笑って誤魔化さないで。
あんたに何かあったかなんて、ゆきの顔見ればすぐに分かる。
どれだけゆきと一緒にいると思ってんの。
幼なじみ舐めないで」
眉を寄せてあやちゃんはわたしに怒った。
「ごめん、あやちゃん…」
わたしはそんなあやちゃんに謝るしかできなかった。
「謝らないの。
話はカフェで聞くから。
ちゃんと話してくれるよね?」
「うん」
優しい顔でそう言うあやちゃんに、わたしは涙を浮かべながらあやちゃんと一緒に学校を出た。
「それで?何があった?」
わたしたちお気に入りのカフェで、いつものようにパンケーキを注文し、あやちゃんはそれを食べながら聞く。
わたしは、ふと最近のことを思い出しながら話し始めた。