結城くんが学園王子の仮面をはずしたら。
だって、あとが怖いもん…
「結城くんって、すごいんだね」
なんて言ってみる。
でもさでもさ、もしかしてわたし、とんでもない人の秘密を知っちゃったのか!?
「すごいなんてもんじゃないわ!
我が校が誇る王子様よ!!」
「へ、へぇ…」
わたしの微妙な反応にあやちゃんは、ため息をつく。
「ダメか…。
ゆきにはわかんないか。
ま、しょうがないよね。ゆきはそういうの興味ないもん」
「興味がないっていうか、男の子が苦手なだけだよ」
男の子って怖いんだもん。
なに考えてるか分からないし。
「ゆきもそろそろその苦手意識、克服したほうがいいんじゃない?」
もちろん私だってそう思ってるんだけど、
いざ男の子と話したり近づいたりすると、やっぱり心と体が追いつかないんだもん……。
わたしがよほど不安そうな顔をしてたのか、あやちゃんが
「大丈夫。ゆきなら絶対。
あたしがついてるし」
と、安心させてくれた。
あやちゃん、ありがとう。