結城くんが学園王子の仮面をはずしたら。



そう心に決めてから早一週間。



何一つ進展がありません……。



結城くんは相変わらず朝帰りで、わたしが起きるときは結城くん寝てるし、学校だってサボってる。



お昼休みの呼び出しもなくなっちゃったし、結城くんに会うことなんて滅多にない。



話すなんて以ての外だ。



それじゃダメだと意を決して結城くんに会いに行こうと教室に行けば、うまい具合に避けられて。



頑張ろうと心に強く誓ったものの、今のわたしの心はだいぶ弱ってきてる。



――がチャッ



「ただいまぁ」



最近のわたしの習慣。


家に帰ってきたらまず結城くんの靴があるかを確認すること。



もちろん今日も、ない……。


この光景にも慣れてしまった。



そのまま階段を登って自分の部屋に行き、制服のままベッドにダイブ。



「はぁ…」



このため息も何回目だろう……


いつの間にわたしの中で結城くんがこんなも大きくなってたんだろう。



二週間ちょっと結城くんと話してないだけで、すごく寂しい。



結城くんと出会う前のわたしって、どんな風に一日を過ごしてたんだろう…。



今のわたしは息の仕方すら忘れてしまったのかな。



すごく、苦しいよ……



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