結城くんが学園王子の仮面をはずしたら。



「ゆきー!夕ご飯食べないの〜?」


「…んっ……」



何……?


下からママの声が聞こえてわたしは目を開ける。



あ…、わたしあのまま寝ちゃってたのか。



のそっと体を起こす。



うわぁ、最悪だ。


制服のまま寝ちゃうなんて。

シワになっちゃったよ。



制服を脱いで部屋着に着替え、リビングに行く。



「あっ、やっと来たわね。もうゆき寝てたの?」


「うん。ちょっと疲れが溜まってたみたい」



最近結城くんのことがあって寝不足も続いてたし。



「…まだ、結城くん帰ってないの?」



部屋をぐるっと見渡すけど結城くんの姿はない。



やっぱり、今日も帰って来ないのかな。



「直也くんもいろいろと忙しいんじゃない?」



ママもきっと気づいてる。


だけど、知ってか知らずかママはそこまで知ろうとはしない。



それからわたしは、ママと仕事から帰ってきたパパと三人でご飯を食べてお風呂に入ってから部屋に戻った。


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