結城くんが学園王子の仮面をはずしたら。
「直也と何があったの?」
話さなきゃいけないのかな…
「話さなきゃ、ダメですか……?」
「ゆきちゃんが話したくなければ別にいい。
でも、もしそれでゆきちゃんが今苦しい思いをしてるなら、俺は力になるよ?」
きっと、今回のことあやちゃんには言えない。
あやちゃんに言えば絶対に心配するから。
これ以上心配かけたくないの。
でも一人でこれを抱え込むのは、辛い……
矢本くんに話せば、少しは楽になる?
この苦しい気持ちから、解放される?
でも、なんか都合よく矢本くんを利用するみたいな感じがして申し訳ない気持ちでいっぱいになる。
わたしが下を向いて渋っていると、
「話したくない?
でもさ、たまには誰かに寄りかかって良いときもあると思うよ?
全部を一人で抱えてたらゆきちゃんが苦しいよ?
だからさ!俺に話しちゃいなよ!」
軽いのか優しいのかよく分からないけど、きっと優しい人なんだと思う。
今は矢本くんの明るさ?に助けられたかも。
「実は――……」
そしてわたしはここ最近の結城くんとのこと、さっきのことを全部矢本くんに話した。