結城くんが学園王子の仮面をはずしたら。


「だから、そんな自分の存在を否定するようなこと言わないでください……」



ポロリと涙を流してゆきは言った。



素直に、綺麗だと思った。


俺はこんなゆきの何にも染まらない真っ白で、綺麗な純粋な心に惹かれたのかもしれない。



ゆきが、俺という人間を見てくれたから好きになった。



「ゆき、ありがとう…」


「結城くん……」



きっとここに来たってことは、

「舜から聞いたんだろ?」


「はい……」



やっぱり……

舜の野郎め。


あとで覚えておけよ。



「…昨日は悪かった」



ずっと後悔してた。


いくら荒れてたからって、ゆきを傷つけることはなかったんだ。



「いいんです。

確かにあのときの結城くんはすごく怖かったけど、わたしも勝手なこといっぱい言いました」


「全部合ってるからいいんだよ」



全て正論だ。


ゆきがどうこう言って後悔することじゃない。



「結城くん、わたしじゃダメですか……?」



…は?



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