結城くんが学園王子の仮面をはずしたら。



―ゆきside



「結城くん、わたしじゃダメですか……?」



結城くんが悲しそうな顔をして言うからそう言わずにはいられなかった。



矢本くんから結城くんの過去を聞いて思ったんだ。



わたしが結城くんを幸せにしてあげたい

結城くんをたくさん笑わせてあげたい

って……。



わたしは誰よりも、

「結城くんが好きです……」



真っ直ぐ結城くんの目を見てわたしの想いを伝える。



「え……」



結城くんの目が驚きで見開かれる。



「結城くんの誕生日は、わたしが盛大にお祝いします」



結城くんが二度と誕生日なんて来なければいいなんて思わないように。


その日が、一年のうちに幸せな日になるように。



「わたしが結城くんを笑顔にします」



だから……



「だから、わたしと一緒にいてください……」



結城くんがいないと、わたしはダメだから。



わたしにとって、結城くんは必要な存在なの。



わたしの気待ち、届いてっ……!


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