結城くんが学園王子の仮面をはずしたら。
風邪を引きました。



―直也side



「こほっこほっ……、はぁ…はぁ……」


「大丈夫か?」



な訳ないな。



目の前のゆきは荒い息と酷い咳を繰り返してる。


朝目を覚ました時点で既に39度を超えていた。



「ゆ、きくん……」


「…っ!」



不意打ちだ…

これは生殺しだって。



逆に、このゆきの風邪のせいで火照った顔と潤んだ目で見つめられたら誰だって欲情するだろ。



って、風邪人に俺は何考えてんだよ…。



「ゆき、今日は早く帰ってくるからそれまで大人しく寝とけよ」



苦しそうに返事をするゆきに眉が下がる。



心配でしょうがない。


できれば俺も学校を休んでゆきの傍に一日中いたいが、それは雛さんが許さなかった。



ゆきのことは雛さんに任せるとして、俺はなるべく早く帰ってこよう。



「じゃあ行ってくるな」


「行って、らっしゃい…」


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