結城くんが学園王子の仮面をはずしたら。
―コンコンッ
「ゆき?入るぞ?」
ドアを開けて入るとベッドに横たわるゆきが見えた。
「ゆき」
ベッド脇に行き、ゆきの顔を覗き込む。
まだ少し顔は赤い。
熱、下がってないか…
ふわっとゆきの柔らかい髪を梳くように優しく撫でる。
時折んっ、と声を漏らすゆきがたまらなく可愛いくて愛しい。
ゆきの頭を撫で続けていると、急にぐいっと腕を引っ張られて気づけば俺の首にゆきの腕が絡みついていた。
「……ゆき?」
「なおくん!」
…………は?
「なおくん好き!だ〜い好き!」
俺の耳元でそう呟くゆき。
「ちょ、ゆき」
さすがに離れろ……
ていうか、こいつ今なおくんって呼んだよな?
案外"なおくん"って呼び方、いいな。
じゃなくて、
「おいゆき、離れろ」
「やぁ」
俺がゆきの腕を首から外そうとすると、更にぎゅーっと抱きついて俺の首筋に顔を埋めるゆき。
いや、さすがに俺の理性にも限界ってものがあるんですけど。