結城くんが学園王子の仮面をはずしたら。


「ゆき」



さっきよりも少し声を低くして強く言う。



そしたら何か言いたげな顔をして離れたゆき。



「まだ熱あんだから寝とけ」



無理矢理ベッドにゆきを寝させる。



すると__



―チュッ



…………は?

なんで俺はゆきにキスされてんだ?


いや、ヤバいだろ。



目をつぶったゆきの少し火照った顔が目の前にある。



ただでさえ今でも理性抑えてる状態なのに、キスなんかされるとほんとにやばい。


既に押し倒したい衝動に駆られてんだから。



落ち着け、俺。

さすがに病人に手を出すのはダメだろ。



「ゆき」



ゆきの肩を押して、ベッドに無理矢理寝かせる。



「なおくん、ちゅーしたくないの?」


「っ…」



おいおい、この顔は反則だって。


火照った顔と、熱によって潤んだ目で俺を見上げる。



せっかく抑えた魔の手が伸びる。


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