結城くんが学園王子の仮面をはずしたら。


「ちゅーしよ?ちゅーぅ」



生殺しだ……

生き地獄だ……


もういっそのこと喰っちまおうか?



いや、ダメだ…

ゆきは熱のせいで正気じゃねーんだ。



「なおくん?はーやーくぅ」


「……しない」



俺がそう言うと、口を尖らせて明らかにむくれるゆき。



正直言って、もうすげー可愛い。



普段ゆきは絶対にこんなことしない。



キスだっていつも俺からだし積極的なゆきは初めて見た。



熱って、無敵だな。



「もういいもん!じゃあゆきからするもん!」



ゆきからするって……


自分のこと名前で呼んだりしないのに、熱の力はほんとに恐ろしいな。



―チュッ



すると一瞬感じる唇の違和感。



まじかよ。

ほんとにキスしてきたぞ、こいつ……



もうゆきにされるがままの俺。



ここまできたら俺は知らねー。



誘ってきたこいつが悪い。


俺は本能に従ったまでだからな。



そう思った俺はドサッとゆきをベッドに押し倒し、深いキスをした。



何度も何度も角度を変え、その度に漏れるゆきの声と熱い吐息。



それに俺の堪えていた理性は難なく崩れ落ちた__



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