結城くんが学園王子の仮面をはずしたら。



「スゥー…」



はずだった……



ゆきの首筋にキスを落としたときに聞こえたスゥー、という音。



まさかと思って顔を上げると、なんとそこにはすやすやと気持ちよさそうに眠るゆきがいた。



「まじかよ…」



いや、嘘だろ?


普通寝るか?



自分から誘っておいて寝るやつなんて、俺初めて見たんだけど…。



「おい、ゆき…」



何度呼んでもビクともしない。


どんだけ深い眠りなんだよ。



はぁー、なんか俺振り回されてね?

このお姫様に。



俺ってどちらかと言えば振り回されるんじゃなくて、振り回すほうなんだけど……



「ま、いっか」


このお姫様に振り回されるのも。



これから先が思いやられるけどな…。


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