結城くんが学園王子の仮面をはずしたら。
「………ん…」
部屋に響く音。
そして段々と深くなっていくキス。
「…っ!」
息が苦しくなり酸素を求めて少し口を開くと、その隙間から温かくて柔らかいものが入ってきた。
こんな大人なキス、初めて……
いつもの優しいキスじゃない。
噛み付くような、激しいキス。
段々と体の力が抜けていく。
それに気づいた結城くんは、わたしの体をドサッとベッドに押し倒した。
それと同時に離れた唇。
わたしに覆い被さる結城くんを見る。
「もう限界?」
意地悪く笑ってわたしに問いかけてきた。
「結城くんの、意地悪……」
涙目で結城くんをキッと睨む。
「言っただろ。お仕置きだって」
その結城くんの言葉にわたしは心に決めた。
もう二度と結城くんを怒らせるようなことはしないでおこう、と……。