結城くんが学園王子の仮面をはずしたら。
嫌だよ、結城くん……。
結城くんにキスマークをつけられてから早一ヶ月。
あの後なかなか跡が消えてくれなくて、学校に行ったらあやちゃんに顔を真っ赤にされて事情聴取。
あの時のあやちゃんの迫力といったら……
凄かった。
「ゆき、おはよー」
「ゆきちゃんおはよー」
「おはよ!」
クラスの子たちと挨拶を交わしながら自分の席に着く。
ふと教室を見渡してみるとなんとなく違和感を感じた。
なんかみんなやたらソワソワしてると言うか…
「ゆっきー!!おはよ!」
首を傾げているわたしの元へあやちゃんが凄い勢いでやってきた。
「おはよ、あやちゃん」
わたしはニコリと笑顔で返す。
すると、あやちゃんも何か気づいたのか
「なんかみんなソワソワし過ぎじゃない?」
地に足がつかない様子のクラスの子たちを見て不思議そうにしていた。
「だよね。
なんかみんな妙に気合が入ってるって言うか…」
「なんか今日あったっけ?」
うーん……
特に何もなかった気がするけど……