結城くんが学園王子の仮面をはずしたら。


「あ、ねぇ。今日何かあるの?」



わたしが考えているとあやちゃんが横にいた、クラスメートの莉央(リオ)ちゃんに声をかけた。



「なんか噂で回ってるらしいんだけど、今日どっかのクラスに転校生が来るんだって」



転校生か…。



「だからかみんな妙に気合が入ってるんだよね。

転校生に期待してるの」



ほー…

そういうことか。



「なるほどね。ありがと」


「いーえ」



そう言って莉央ちゃんは他の友達の元へ行った。



「転校生か……。

どんな子が来るんだろうね?」


「ねぇー。まぁあたしはイケメン希望!」



そう口にすると鞄からポーチを取り出し、鏡を覗いて身だしなみを確認し出すあやちゃん。



あはは……

さすがあやちゃん、面食いだもんね。



あやちゃん、かっこいい彼氏さんいるのにイケメンには目がないから。



わたしが苦笑いを浮かべていると、

「ゆきは結城くん一筋だからねぇ」



あやちゃんがニヤニヤしながらわたしを見た。



「あやちゃんだって彼氏さんいるじゃん」


「イケメンは別〜」



ダメだな、これは……。


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