結城くんが学園王子の仮面をはずしたら。
「結城くん、結城くんのクラスに来た転校生の女の子ってどんな子だったの?」
その日、いつものように夜わたしの部屋でゆっくりしていた結城くんとわたし。
ベッドに横たわって携帯を触っていた結城くんにわたしは聞いた。
なんだかんだ転校生の存在が気になっていたのが事実で。
どんな子なんだろう…。
「転校生?
あぁ、今日来た女か。
別に普通だったけど?あんま記憶にない」
「ふふ、結城くんらしいね」
なんともその回答が結城くんらしいと思った。
女子に興味を持たないところというか。
「俺はゆきしか興味ないから」
「っ…!」
さも当たり前、とでも言うようにサラッとそう言いのける結城くん。
その言葉にわたしは顔を真っ赤に染めた。
「は、恥ずかしげも無くそんなこと言わないでください!」
「ははっ、なに?照れてんの?」
「~~~っ!」
「ゆきって照れると敬語になるよな」
言われたことがまさに図星で返す言葉もない。
もう癖だな。
今までずっと敬語を使ってきたから、気が逸れたり余裕がなくなるとすぐに敬語に戻ってしまう。