結城くんが学園王子の仮面をはずしたら。


「ほんとゆきって、俺のツボだわ」



屈託のない笑顔を浮かべる結城くんにドキンッと胸が高鳴る。



「まぁ、ほかの女が目に入らないぐらいゆきのことが好きってこと」



だから不安になったりする必要ないからな、と続けた結城くんの言葉に涙が出そうになった。



結城くんにそれだけ愛されてるっていう事実に、堪らなく幸せを感じる。



わたし、こんなに幸せでいていいのかな…

って思うぐらいに……。



「わたしも、結城くんしか考えられない。

結城くんが大好き!!」



そう言ってぎゅっと結城くんに抱きついた。



勢いよく抱きついたわたしを、結城くんは倒れることなく抱きとめてくれた。



「なんか今日はいつもより積極的だな」



ふっと笑ってわたしを見た。



「今日はなんかこうしたい気分なの」


「俺は嬉しいから全然いいよ。

むしろこれからも積極的に来てほしいぐらい」


「ふふ。そういう気分だったらね」



笑ってそう言うわたしに、結城くんは「なんだそれ」と笑った。


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