結城くんが学園王子の仮面をはずしたら。
「おいゆき、」
「結城くん、わたしと別れてください」
わざと、結城くんの言葉に被せて言った。
もしかしたら、わたしの声は震えてるかもしれない。
顔も、未だに上げられないけど……
決心が揺らがないうちに言う。
「…っは、?」
上からは結城くんの動揺したような声が聞こえた。
「だから、わたしと別れてください」
沈黙が保健室を襲う。
でもその沈黙を破ったのは紛れもなく結城くんだった。
「は、意味分かんねーんだけど。
何で俺がお前と別れなきゃいけねーんだよ」
その言葉は予想してたものとは違った。
てっきり結城くんは、わたしの申し出を二つ返事で了承してくれると思ったのに。
どういうこと……?
もう、結城くんが分からないよ…………。
「おい、ゆきっ。
言いたいことあんなら俺の目見てっ」
「もう辛いんです!」
いつまでも俯くわたしに痺れを切らした結城くんが、わたしの肩を掴むけれどまたもやわたしは彼の言葉を遮った。