結城くんが学園王子の仮面をはずしたら。
「……何それ…」
全て話し終えたときには、あやちゃんはかなりご立腹の様子。
怒りで体を震わせていた。
「ゆきのバカッ!!!」
目に涙を浮かべてあやちゃんは怒鳴る。
「やっぱり、自業自得だよね……」
そんなあやちゃんに、わたしは自嘲気味に笑った。
「違う!
あたしが怒ってるのは、なんで今まで一人でそれを抱えてたのってこと!」
そしてあやちゃんはわたしのことを優しく抱きしめた。
「ここまで一人で、よく頑張ったね」
「…ふぇ……」
あやちゃんの優しい声音に、わたしの中で溜まってたものが溢れ出てきた。
「ゎたし……、ゆ、きくん…傷つけ、ちゃ……た」
「……うん」
「傷つけたく、なかったのに……」
あんなこと、言いたくなかったのに…。
こんなことになったのは全部……
「わたしが、弱かったから……」
わたしは結局、強くなんてなれてなかった。
弱いままなんだ……
「ゆきはちゃんと強くなってるよ。
それはあたしが証明する」
その言葉を合図に、わたしは声をあげて泣いた。
あやちゃんにぎゅっとしがみつき、子供みたいに。