結城くんが学園王子の仮面をはずしたら。



「……何それ…」



全て話し終えたときには、あやちゃんはかなりご立腹の様子。


怒りで体を震わせていた。



「ゆきのバカッ!!!」



目に涙を浮かべてあやちゃんは怒鳴る。



「やっぱり、自業自得だよね……」



そんなあやちゃんに、わたしは自嘲気味に笑った。



「違う!

あたしが怒ってるのは、なんで今まで一人でそれを抱えてたのってこと!」



そしてあやちゃんはわたしのことを優しく抱きしめた。



「ここまで一人で、よく頑張ったね」


「…ふぇ……」



あやちゃんの優しい声音に、わたしの中で溜まってたものが溢れ出てきた。



「ゎたし……、ゆ、きくん…傷つけ、ちゃ……た」


「……うん」


「傷つけたく、なかったのに……」



あんなこと、言いたくなかったのに…。



こんなことになったのは全部……

「わたしが、弱かったから……」



わたしは結局、強くなんてなれてなかった。


弱いままなんだ……



「ゆきはちゃんと強くなってるよ。

それはあたしが証明する」



その言葉を合図に、わたしは声をあげて泣いた。


あやちゃんにぎゅっとしがみつき、子供みたいに。


< 244 / 275 >

この作品をシェア

pagetop