結城くんが学園王子の仮面をはずしたら。


それから少ししてようやく落ち着いたわたし。



気づけばあやちゃんも一緒になって泣いていた。



二人して泣いたせいで顔はぐしゃぐしゃ。


顔を見合わせて「ははっ」と、同時に噴き出した。



「ゆきちょーブサイク!」


「あやちゃんもだよ!」



今はこの何気ない会話がとてつもなく幸せに感じた。




そんな時、あやちゃんは急に眉を寄せて言った。



「それにしても……、結城くんマジ許せないんだけどっ!!!」



拳を握り締めて勢いよく立ち上がって。



「あ、あやちゃん?」


「あたしのゆきを泣かせやがって!!

それに何!?逢坂とキスしただぁー?!

たとえ逢坂に無理やりされたとしても有り得ないから!!」


「あ、あの…。あやちゃん…?」



わたしはあやちゃんのいに圧倒される。



――キーンコーンカーンコーン



そのとき丁度なった授業終了のチャイム。



「あたしちょっと行ってくる!!」


「へ?」



それを合図にあやちゃんは屋上から走って出て行った。



うそぉ……

あやちゃん、行っちゃった……



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