結城くんが学園王子の仮面をはずしたら。


受け取った荷物を持って、ママが戻ってきた。



その瞬間、さっきまでの黒い笑みから爽やかなキラキラ王子様スマイルへと変化させる結城くん。



もう、なんかその違いが凄すぎて言葉がでません…。



「ママ!!

今日から結城くんがうちに住むってどういうことなの!?」



どうか間違いであってください!!



「どういうことも何も朝パパがそう言ってたじゃない」



ママのその一言で、わたしのちっぽけな願いはあっけなく破壊された…。



ていうか、


「パパが?そんなこと言ってたっけ?」



全く記憶にないのだが……



「そういえばゆき、今朝は寝坊してパパの話しもまともに聞いてなかったわね」



必死に頭の片隅から記憶を引っ張り出す。



たしかにパパ、今日から同居がどうのこうのーって話してたような気がする……。



でもママの言う通り、まともにパパの話聞いてなかったからな。



何よりここに結城くんがいるっていうことが、もう既に事実だよね…。



「直也くんのご両親が急遽海外に転勤することになっちゃったらしくてね。

でも直也くん学校とかあるでしょ?

だから、直也くんのパパさんが家のパパに直也くんを任せてくれたのよ」


そ、そういうこと……。


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