結城くんが学園王子の仮面をはずしたら。
段々とわたしも落ち着きを取り戻した。
「落ち着いたか?」
結城くんのその問いに、わたしはコクンと頷き顔を上げて結城くんの目を見た。
近距離で絡み合う視線。
そして、どちらからともなくキスをした。
久しぶりにした結城くんとのキスは、わたしの涙でしょっぱかったけど、今までの寂しさを埋めるぐらい満たされた。
少しして離れたあと、結城くんは話し始めた。
「俺さ、ゆきと離れてみて、あらためて俺にはゆきしかいないんだなって思った。
ゆきがいない生活とか考えらんねー」
「わたしもだよ。
結城くんが隣にいなくて、わたし生きてる心地しなかった。
わたしの全ては、結城くんで出来てるんだよ」
そう微笑んでわたしは結城くんに言った。
なんか、久しぶりにちゃんと笑えた気がするな。
やっぱりわたしの全ては結城くんで出来てるんだ。
「俺ゆきのことすげー好きだわ」
綺麗な顔に浮かぶ結城くんの笑顔に胸がズキュンと撃ち抜かれた。
「わたしも、結城くんが好きすぎて吐きそうだよ」
少し赤くなった顔でわたしははにかんでみせた。
結城くんは少し目を見開いて、
「俺、今すぐゆきを押し倒したい衝動に駆られてる」
そう言った。