結城くんが学園王子の仮面をはずしたら。


「おい覗き」



ビクッー!



階段を上っていると、急に結城くんに話しかけられ体がビクつく。



「そんなに驚かなくてもいーんじゃない?

別にとって喰おうなんて思ってねーから。

変な心配しなくていいよ」


「そ、そんな心配してないですっ!」


「そ」



ここはわたしの家だ。



家での主導権はわたし。


学校では下僕扱いかもしれないけど、ここではわたしが偉いんだもん!



結城くんに変な真似はぜーったいにさせないんだからっ!



「ここが結城くんの部屋です。

好きに使ってくれていいですからね。

それじゃ、わたしは自分の部屋に行くので!」



退散!



回れ右をして、自分の部屋に入ろうとする。



そのとき、


「これからよろしくね?ゆき」



耳元でそう、結城くんが囁いた。



「っ…!!」



一気に顔に熱が集まる。


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