結城くんが学園王子の仮面をはずしたら。
最初の命令。
「はぁー…」
もう朝からほんとに疲れたよ。
重たい足をずるずると引きずって、気づけば学校。
あれから結城くんの部屋から飛び出し、そのままかばんを持って学校にきた。
ママは
『直也くん、まだこの辺分からないだろうから一緒に学校に行ったら?』
なんて言ってたけど、それは御免だ。
学校につく前に倒れるところだよ。
「ゆーき!
朝からため息なんて、幸せ逃げるよ?」
席について朝のことを思い出していたわたしのもとにあやちゃんが話しかけにきた。
「朝からいろいろあって疲れちゃって…」
わたしがやけにぐったりして言ったから、あやちゃんは今度は本気で心配したような顔をした。
「ゆき?
大丈夫なの?悩み事あるなら話聞くよ?」
「ううん。
大丈夫だよ、あやちゃん」
わたしが笑顔でそう言うと、そっか。
と安心したような顔をして自分の席に戻っていった。